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トランスジェンダー可視化の日【Transgender day of visibility】

トランスジェンダー可視化の日

3月31日は「トランスジェンダー可視化の日」です。
私たちは、トランスジェンダー嫌悪に対し、共に闘うことを、改めて宣言します。

私たちが2013年から継続して実施している大規模調査により、性的マイノリティが直面している様々な問題が明らかになっていますが、学校や職場における排除やハラスメント、それに関連するメンタルヘルスの悪化は、特にトランスジェンダーに顕著です。

​2024年の調査からは、以下のことが明らかになっています。
https://nijibridge.jp/report/

​●2023年に「LGBT理解増進法」ができたが、いまだに職場での施策は少なく、ハラスメントは多く、LGBTQのメンタルヘルスは悪い、という状況が続いている。特にトランスジェンダーでは、メンタルヘルスに問題を抱える可能性が高い人は34%、ほぼ3人に1人という深刻な状況である。

●「しばしば・常に孤独感を感じる」というトランスジェンダーは27.5%で、政府統計と比較しても、強い孤独・孤立感を抱えている傾向がある。

●インターネット上でカミングアウトしているトランスジェンダーは59.2%で、大事な居場所になっている一方、この1年間で、インターネット上でトランス差別を見聞きしている人は88%である。大量の嫌がらせを受けて、アカウントを維持できなくなる等の形で、サイバー空間でも居場所を奪われている。

●「あなたらしく過ごせる場所はありますか」という問いに対して、トランスジェンダーの22.0%が、はっきり「ない」と答えている。シスジェンダー異性愛者では3.9%であり、居場所がないと感じている人が5倍以上になる。

​自分らしく、安心して息ができる、安全な場所は、誰にとっても必要なものです。私たちは2022年から「プライドセンター大阪」というLGBTQセンターを運営していますが、トランスジェンダーの来館者の声は特に切実です。「自分には、ここだけが安心できる場なんです」、と言ってくださる方もいます。私たちは、こうした来館者のリアルを、社会に届けたいと思います。トランスジェンダーの人々は、もちろん多様です。しかし、根拠を示さないままSNSで拡散されているような、社会に脅威を与えるような存在だとは思えません。私たちが知っているのは、社会から強い抑圧を受けて、沢山の傷を抱えながら、今日を生きている、家族、友人、同僚、隣人です。

​「LGBTQ」は、連帯を表す言葉ですが、最近は、そこからTだけ外すような仕草が見られます。これは、トランスジェンダーをスケープゴート(贖罪のヤギ、転じて、集団内の不安や不満をそらすため、罪や責任をかぶせられ迫害される人という意味)にする動きです。スケープゴートとは、集団の「不安」の中で、「恐怖」と「きっかけ」によって起こると言われています。トランスジェンダー嫌悪は、まさに典型的です。先が見えない社会の「不安」の中、人口の1%くらいのトランスジェンダーという、多くの人がよく知らない人たちへの「恐怖」を土台に、SNSや動画サイトでの噂という「きっかけ」を与えられて、燃え広がっています。女性嫌悪と同性愛嫌悪も、間違いなく、その土台になっています。

​先が見えない、生活が不安だ、戦争や災害のニュースが続いてつらい。今、多くの人が大なり小なり感じていることでしょう。しかしそれは、誰かをスケープゴートにすることでは解決しません。

​「トランスジェンダー可視化の日」は、トランスジェンダー嫌悪と共に闘う人たちを可視化する日でもあります。トランスジェンダーとは、私たちの家族、友人、同僚、隣人のことです。もちろん、私たち自身、でもあります。私たちは、トランスジェンダー嫌悪に反対します。

2025年3月31日
認定NPO法人虹色ダイバーシティ スタッフ一同

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