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LGBTスピーカー・スキルアップ講座【活動報告】

LGBTスピーカー・スキルアップ講座

近年、LGBTなどの性的マイノリティについての話題がメディアに取り上げられることも増え、学校や職場、地域での研修のニーズも高まってきました。しかし、スピーカーの中には多様な性のあり方について他者へ伝える方法や、スピーカー自身のケアの方法を知る機会もありません。また、スピーカー同士のネットワークも十分ではないのが現状です。

虹色ダイバーシティは「LGBTも働きやすい職場、生きやすい社会をつくる」ことを目標に活動を進めてきた団体です。しかし、メンバーの数にも限りがあるため、全国各地での研修や講演のご依頼に、私たちだけでお応えすることはできていません。その現状を踏まえ、研修や講演の担い手を増やす活動にも取り組んできました。また、地域ごとの状況を肌感覚でとらえ、課題や改善できることを明確化し、自分の言葉で伝えることができるスピーカーの需要は、これからますます増えていくと考えています。この講座シリーズを通して、同じ地域のスピーカーが集まり、互いに学び合い、ときに支え合える関係を構築することができました。

 

■スキルアップ講座受講者の声

伊東カナトさん

・伊東カナトさん
(大阪会場に参加)

2日間の講座内容はとても充実しており、基礎知識はもちろん、スピーカーとしての心得や、メンタルのケアについてまで具体的に学ぶ事ができました。
特に心得5ヶ条については、自分が講演をするにあたり大切に思う事を書き出すことで、これまで苦手だったことや、あやふやにしていたことを克服する良いきっかけとなりました。事前準備から講演終了までスムーズかつ質の高い講演を行うためのヒントが詰まっており、講座から2年経った今でも講演を行う際は必ず見直すようにしています。
また、参加者と交流する機会もあり、これまであまりなかった横の繋がりを広げる事が出来ました。講座終了後も連絡を取り合い、情報交換や悩みごとを相談できる人に出会えた事は、私にとってスキルを身につける事より価値があったと思います。
知識を少し深めたい。そんな気持ちで参加した講座でしたが、知識以上に得るものは多く、スピーカーとして、また一個人として成長に繋がったと感じています。

 

小田泰江さん

・小田泰江さん
(東京会場に参加)

私は2014年頃、勤務先でカミングアウトと旗振りし、LGBT施策を制度として取り入れた経験がある。
自然な浸透をめざして現在も新入社員向けにLGBT研修講師を務めているが、かねてから人に想いを伝える事が苦手で殻を破りたい一心で講座に参加した。
この講座に参加する様々な立場の人に囲まれながらの発表を行うのだが、一度目は良い意味で大失敗。参加者からのフィードバックを受け多角的な切り口で心に残る感想と実践的なアドバイスを得られた。
二度目の講座では見違えるように良くなったと褒めて貰う事ができた。同じ志の仲間を見つけられたこと、何より自分を発信する舞台を踏む経験が大きく成長をさせてくれたように感じる。
小さな積み重ねも気づけば4年目。2017年は親会社を巻き込んで少し大きな貢献活動が出来た。一番成し遂げたい事業への転換はまだ成し得ていないが、信念を持って継続すれば、次第に変化をもたらすという確信をこの講座で得た。

儀間由里香さん

・儀間由里香さん
(福岡会場に参加)

私は、2012年から長崎県にて「Take it!虹」という団体でセクシュアルマイノリティサポート活動を行っています。しかし、地方という事もあり、共に活動する仲間が少なく、団体運営の在り方や、講演内容等を手探りで進める中で、「交流会の中で、誰かにしんどい思いをさせていないだろうか」あるいは、「講演内容は、このままでいいのだろうか、、、」といった悩みは尽きませんでした。そんな時に、スキルアップ講座の開催を知り、実際に講座に参加すると、九州各地で活動する多くの仲間たちと、出会う事ができ、想いを共有することができ、悩んでいるのは自分だけではないのだと、心強く感じました。また、丁寧な講座の中で、講座内容も改めて精査することができ、不安を和らげることができました。講座終了後も、ゆるやかな繋がりに支えられていること、そして、常に自分自身を振り返り改める姿勢を得られたこと、心から感謝しています。

鈴木茂義さん

・鈴木茂義さん
(宮城会場に参加)

仙台は何かとご縁のある場所でした。ちょうど講座と同じ年の3月に、仙台でのカミングアウトフォトプロジェクトに参加しました。自分のカミングアウトのきっかけと、その経験を人に伝えていこうという気持ちが一致した場所が仙台でした。
講座後、実際に人前で話す機会が増えました。そのことを通して感じたことは、講座で学んだ「セルフディフェンス」です。自分自身の生い立ちやカミングアウトについて自分の言葉で語ることは慣れていたつもりでしたが、そうではありませんでした。話し終わった後にぐったり疲れたり、過去の自分と毎回向き合う作業にしんどくなったりしたこともありました。しかし講座で予めセルフディフェンスを学んだことにより、予防と対処について積極的に取り組むことができました。今では自身の体と心を労わりながら、人前で話せています。

佐脇広平さん

・佐脇広平さん
(沖縄会場に参加)

ストレート・アライとして「スピーカーを支えるかもしれない自分」と「スピーカーをするかもしれない自分」のそれぞれの視点で受講しました。
まず、多くの人とつながることができたのが大切な収穫で、講座後も交流が続いています。講座の直後には実践の機会が控えていたので、基礎知識やスピーカーとしてのマナーを学べたのも即戦力になりました。またセルフディフェンスの方法など、サバイバーが活動を始めるときの困難さとそこへの対処を僅かでも感じることができたのは良かったです。
活動を初めておよそ5年になり、一緒に活動しているチームの中で自分にできること、できないことが徐々に見えてきました。今回の講座の内容を活かして今後も活動する当事者をバックアップしつつ、当事者性にかかわらないプログラムも作って教材化し、離島を含めた教育現場に広めていきたいと思っています。

 

■実績
[開催時期]2016年5月〜2018年3月
[対象者]当事者、非当事者にかかわらずLGBTに関するスピーカー、今後スピーカーを希望する方
[開催地]全国9都市【大阪市(大阪)、品川区(東京)、福岡市(福岡)、仙台市(宮城)、札幌市(北海道)、名古屋市(愛知)、那覇市(沖縄)、金沢市(石川)、高松市(香川)】
[参加者数]108名

本講座は株式会社ラッシュジャパン、日産自動車株式会社、Googleインパクトチャレンジのご支援のもと企画運営を行いました。(敬称略、順不同)

 

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