ナレッジ|Knowledge

職場と性的マイノリティの課題

2015.8.17

職場にも性的少数者はいます

性的少数者は人口の数%です。

30人の職場があれば、その中に1人は存在する位の確率です。

しかし、自分の職場には性的少数者は「いない」と思っている人が、本当に多いです。性的少数者であることは見た目やしぐさで分かる、という思い込みがその前提にあります。実際には、性自認や性的指向は、外見とは別の問題です。

性的少数者は「いない」のではなく、「周囲に伝えていない」または「伝えられるような雰囲気ではない」のです。

職場で起きている問題

多くの職場で、いないものとされている、性的少数者たち。しかし実際には、誰かの同僚、上司、部下として、職場での時間を過ごしています。性的少数者が職場で感じる問題としては、以下のようなことがあります。

  • 職場の差別禁止規定に、性的指向、性自認等が盛り込まれていない。職場で想定されている「すべての従業員」に自分は入っていない、働いても報われないという思いから、モチベーションを保つのが難しい。
  • 日常的に性的少数者をからかうような職場の雰囲気が、無形の圧力になっている。特に、プライベートな話が多い、休憩時間、食事の時間、飲み会などの集まりは、参加するのを苦痛に思う人がいる。
  • 性的少数者である自分を隠さなければいけない状況に置かれることで、緊張、不安、孤立といったストレスがあり、メンタルヘルスに影響が出やすい。
  • 問題が起きた時の相談窓口になるはずの、人事部門、労働組合、契約医療機関等でも、性的少数者に関する知識あるのかどうか分からず、利用するのをためらってしまう。
  • 性的少数者であることが周囲に分かった時に、職場いじめ、就職差別、昇進差別、解雇等にあう恐れがある。
  • 男性や女性の服装での就職活動が、いたたまれない苦痛に感じる人がいる。性別や本名が記載された住民票などの書類を提出することができず、就職をあきらめてしまう人もいる。
  • 異性のパートナーには使える福利厚生が、同性のパートナーには使えない。(忌引き、家族手当等)

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どんな取り組みができるか?

性的少数者の問題に取り組み、実際に成果をあげている企業や団体があります。

海外企業の事例はたくさんありますし、日本企業でも取り組みを始めています。

私たちは性的少数者の問題を、職場のダイバーシティ戦略の一環として取り組むことを提案します。

ダイバーシティとは、職場内の人材の多様性を進めることで、より柔軟で、変化に強い組織を作ることができる、という考え方です。

なぜダイバーシティが注目されているのか、といえば、ダイバーシティに取り組んでいる企業が収益をあげているからです。ダイバーシティに取り組む企業がなぜ収益をあげられるのか、といえば、マーケット(市場)自体がすでに多様なものだからです。多様な市場に対応するために、多様な人材が必要だ、と言い換えることも出来ると思います。

日本でも、性的少数者としての人生を送る人が増えています。性的少数者の市場が認知され始めています。性的少数者として働く人も、これから必ず増えていくことでしょう。

性的少数者の場合は、すでに多くの職場に「いる」ものです。しかし、上記のような状況にあるために、十分にその力を発揮できているとは言えません。性的少数者がいきいきと働ける環境をつくれば、どれだけのプラスの効果があるか。どれだけ職場に笑顔が増えるか。どれだけ職場がクリエイティブになるか。

是非、できることから取り組みを始めてみて下さい。少数派の問題に取り組むことは、実は、多数派の人にもメリットがあるのです。

性的少数者の話は、職場で話すのが不適切な「性的な」話ではありません。前述のように、これは、従業員の生産性の話、モチベーションの話、メンタルヘルスの話、可能性を秘めた豊かな市場の話なのです。

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(Last Update:2015.10.1)

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