Google インパクトチャレンジ賞を受賞しました

「Googleインパクトチャレンジ賞」として、2,500万円とETIC.様によるメンタリングを獲得しました。ご声援ありがとうございました。

提案したアイディアに関しては、事業内容を見直した上で、是非実現したいと考えています。引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。

Googleインパクトチャレンジとは?

公式サイト
https://impactchallenge.withgoogle.com/japan

虹色ダイバーシティが提案するプロジェクト

LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)等の性的マイノリティが生きやすい社会づくりに取り組むプロジェクト。LGBTに関する大人向けの教育機会を無償で提供し、 LGBTフレンドリーな企業や店舗を増やします。さらに、その情報を地図上で表示する「LGBT教育&LGBTフレンドリー・マップ&情報配信アプリ(仮称:ALLYパスポート)」をつくります。

私たちはこのプロジェクトを通じて、3年以内に日本の主要企業の過半数がLGBT施策を行う状況をつくり、職場での差別禁止や同性婚の法制化に向けて、LGBTへの社会の受容度を高めます。

Our vision for creating an LGBT-friendly society starts with education. By providing free educational programs which increase awareness of sexual minorities and LGBT issues, we aim to increase the number of openly LGBT-friendly businesses. We will use this information to create an “LGBT-friendly Map and Information” app. This will help us meet our goal of increasing the number of major companies in Japan taking steps to support LGBT employees to over half over the next three years. With the hope of putting anti-discrimination laws in place and providing legal recognition of same-sex couples, we will work toward building a more accepting and supportive society.

私たちの想い

市民団体向けの他の助成金やアワードで、LGBT等の性的マイノリティの問題は、その内容以前に「日本ではまだ早い」「一般の方の理解が得られない」「他にも優先すべき課題がある」という声が選考委員等から上がると聞いており、非常に悔しい思いをしていました。性的マイノリティの支援団体は日本各地にありますが、どこも財政的には非常に苦しいと聞いており、ほとんどのスタッフが手弁当、無給の状況です。

日本中のNPOが応募したこのチャレンジに、性的マイノリティをテーマにしたプロジェクトでファイナリストに選ばれたこと、それ自体が「インパクト」だと思います。是非この機会に、性的マイノリティの問題は、NPOなどが対応すべき大きな社会問題のひとつ、日本が特に遅れている分野のひとつなのだということを、多くの人に知ってもらえたらと願います。

26日のファイナルイベントは、審査員の前で最終プレゼンを行います。精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。

特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティ 代表 村木真紀

このロゴマークの意味は?

今回のキャンペーンのロゴマークは、どんな性別の人でも使えるトイレ、「ジェンダー・ニュートラル・バスルーム」の表示をモチーフにしています。トランスジェンダーや性同一性障害、性別違和を抱える方には、実はトイレの問題が非常に深刻です。自分の望む性別のトイレに入ろうとすると周囲からとがめられる、どちらのトイレにも行きにくいため、学校や職場、公共空間ではトイレを極力我慢し、膀胱炎などの排泄障害になってしまう方も沢山います。これは健康の問題です。障がい者用トイレはまだまだ数が少なく、身体障がい者等との競合が生じてしまいます(しかも最近は障がい者用トイレも男女別になっていたりします)。

私たちはこの機会に「ジェンダー・ニュートラル・バスルーム」を是非広く知って欲しいと思います。是非、公共空間に少なくとも1箇所は「ジェンダー・ニュートラル・バスルーム」を設置してください。なお、性別適合手術の後の消毒などの処置のため、広い障がい者用トイレが必要な方もいますのでご理解ください。

プロジェクト(詳細)

「ALLYパスポート」のしくみ

  • コンテンツ

教育プログラム、LGBTフレンドリー・マップ、ニュース、支援情報

  • 一般利用者(当事者に限らない)

マップ、ニュース、情報の閲覧ができる。さらに教育プログラムを終了すると画面上で修了書が発行され、登録店舗で修了書を提示すると特典が受けられる。

  • 企業・店舗

従業員が教育を修了することで、マップに店舗等を登録できる。


5,000万円の使いみち(予定)

  • 「ALLYパスポート」の開発 900万円
  • モデル都市での事業者向けの説明会等(各地の団体と協働) 1200万円
  • ホームページ作成(アプリと同等の機能を搭載) 200万円
  • LGBTニュースなど、情報配信機能の運営 200万円
  • 広報費 300万円
  • 事務局経費(店舗情報登録、翻訳等の人件費) 2100万円
  • 予備費 100万円
  • 計 5000万円

このプロジェクトが解決しようとしている課題

LGBTは人口の5%(電通総研2012)、日本で400万人程度はいると考えられますが、可視化されていません。同性婚などの法制度がなく、差別的言動が日常的にあるため、カミングアウトしにくいからです。実際には、社会的な抑圧が、依存症、うつ、貧困、HIV感染などの要因になっており、自死に至る人も年間数千人になると思われます。職場で差別的な言動を経験している人は70%にもなります(弊団体2014)。

一方で、LGBTに関する適切な教育を受けたことがない人は93%(日高2005)であり、これが当プロジェクトの対象者です。私たちはLGBTに関する社会教育を推進していますが、日本では、教育さえあれば多くの人が理解者になると実感しています。教育機会を増やし、非当事者からの支援の声を可視化することで、当事者の声が上がり問題の解決につながると考えます。

どうやって効果を見積もるか?

LGBTの社会における生きやすさは、社会の受容度が目安になります。今後の3年間で、今まで実施していた行政や大手企業向けの講演に加えて、「ALLYパスポート」を使って、中小企業も含め、生産年齢人口の7%、500万人にLGBTに関する教育機会を届けたいと思います。

世論調査では、同性婚を「認めるべき」43%、「分からない」31%(日経新聞2013)であるため、「分からない」の7%を「認めるべき」に変えられれば、それで同性婚に賛同する人が過半数になるのです。

海外では世論の賛同が半数を超えた時点で、雇用の場などでの差別禁止や同性パートナーへの法的保証の法律が出来ることが多く、法律が出来ると差別的言動が抑制され、当事者の心身の健康にプラスの効果があると言われています。3年間では法律制定までは至らないかもしれないが、社会的な議論を起こす基盤をつくることは十分可能だと思っています。

テクノロジーをどう使うか?

「ALLYパスポート」(iOS、Android 、Webアプリ)の開発は、既存の機能の組み合わせで対応可能と想定しています。テクノロジーを使って、LGBTに関する基礎知識を無料で気軽に学べる機会を提供することが可能になります。

一般利用者には、アプリの手軽さと、修了証の提示で受けられる特典によって、また、店舗や企業にはマップへの登録が新規顧客開拓に繋がるという期待によって、LGBTに強い関心のない層に教育機会を届けることができます。

また、LGBTに関する最新のニュースを発信する機能、SNSを利用した友人への紹介機能も実装し、受講後も継続的に関心を持ち続けられるようにしたいと思います。

さらに、直接支援が必要な当事者やその周囲の人については、各地域の信頼できる支援団体や相談窓口を紹介する機能もつけます。

プロジェクトの発展性

マップへの登録情報にはトランスジェンダーへの対応として性別に関わらず使えるトイレ、「誰でもトイレ」の有無も明記してもらう想定ですが、これは身体障がい者などにも有用な情報だと考えています。

また、LGBTフレンドリーな店舗情報を、中国語など、多言語に翻訳し、東京オリンピック、パラリンピックまでに、海外からのLGBT観光客向けの情報アプリとして使えるようにしたいと考えています。アジアのLGBT人口は少なくとも7千万人と見込んでいますが、アジアの中では日本は社会の受容度が高く、観光地として有望なのではないかと思っています。

その際は、マップの中に、多言語対応の可否、ベジタリアン、ハラール料理の情報なども入れ、様々な少数派の属性を持つ人も使える「ダイバーシティ対応マップ」に発展させたいと考えています。

想定されるリスク

同性婚への賛否は「分からない」が最多回答であったように、日本ではLGBTの問題にそもそも関心のない人が多いため、無料の教育アプリだけでは話題性として不十分かと思います。モデル都市において、「ALLYパスポート」に登録することで、顧客が増えた、業績が上がった、というようなビジネスとしての成功事例をつくり、それをメディアに紹介してもらうことが大切だと考えています。

また、初期段階でモデル都市の地元のキーマンとしっかり話す時間を取り、味方に付けることが鍵になると考えています。地元のLGBT団体、自治体、観光協会、商工会議所、主要企業、NPO、メディアなどに対して、プロジェクトの社会的意義をしっかり伝え、丁寧にプロジェクト推進体制を構築することが重要です。

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